【Style2】夢を叶えるためのガレージ編
プロ選手のジェットスキー選手が暮らすのは、 夢ではなく、
夢をかなえるためのガレージハウスだった。
ライター 夢野忠則
今回おじゃましたガレージは、いつものクルマやオートバイが並ぶガレントとは、
ちょっとばかり雰囲気が異なっていました。
それは、そこに収められていたのが、クルマではなくてジェットスキーだったから、
という理由だけでは、どうやらなさそうです…
入居者のYさんは、ジェットスキーのプロ選手でいらっしゃいます。
ジェットスキーの大会は、震災の影響で中部地区を中心に開催されることが多く、
Yさんは、ガレントに入居されるまでは、愛機であるジェットスキーを
大会のある愛知や練習のために通う木更津で保管されていました。
しかし、普段のお勤め先が都内であること、またジェットスキーのメンテナンスを、
特にシーズン中には毎日1時間でもやっていたいこと、などの理由から
住まいながらジェットスキーの保管やメンテナンスができる場所を、という条件で
ガレージ付きの賃貸ハウスを探した結果、ガレントと出会い入居されました。
Yさんのガレージが、ほかの趣味空間としてのガレージと雰囲気が異なるのは、
そこがプロの仕事場だから、なのです。
プロの仕事場としてのガレージには、当然のことながら無駄が一切ありません。
きちんと整頓された工具類、足場用の単管パイプで組んだ自作のエンジンリフト…
ちなみにYさんの競技用のジェットスキーは、1600ccのカワサキ製のエンジンで、
わずか約300キロの重量に対して、400馬力のモンスターマシン!
水上を時速120キロ以上のスピードで、まさに“飛ぶように走る”のだそうです。
高い位置に設えられた手作りの棚には、2台のSMX(スノーモトクロス)。
冬場には、バランス感覚を磨くトレーニングもかねてゲレンデにも行かれるそうで、
愛車のハイエースの走行距離は、なんと1年で5万キロにもなるとか!
集中力を養うために、長く古武道もたしなんでいらっしゃるYさん。
レースで勝つことに情熱のすべてを注がれている、そのストイックな生き方が、
ガレージ全体に漂う、凛とした空気を生み出しているような気がしました。
夢のガレージもあれば、夢をかなえるためのガレージもあるのですね。
夢野忠則/プロフィール
クルマ馬鹿サイト「BACCARS」主宰、NPO法人ココロードプロジェクト理事。
2005年より、ほぼ毎日書き続けるブログ「夢野忠則のクルマ馬鹿で結構!」は、
楽天ブログ(クルマ・バイク部門)でアクセス数日本一を記録。